西荻窪アパレシーダ

中央総武線のバミューダ海峡、西荻窪に非常にディープな魅力で人を
引き寄せるちいさなバーがあります。「Aparecidaアパレシーダ」。
その名を何度も聞いていながら、ようやくの訪問となりました。


おそらく2003年頃、「Banca(バンカ)」というオシャレなブラジルの小冊子が発刊となり、
当時ブラジルが好きになり始めた私は愛着を持って読んでいました。
今読んでもなお、その余りの内容の濃さと深さにややおののきますが、
当時から編集者でアパレシーダの店主・ウィリーさんと、鎌倉のカフェ「カフェヴィヴモン
ディモンシュ」マスター・堀内隆志さんが織りなすブラジル愛に読み入ったものでした。

※Banca

そんなマニアックでディープなブラジルの発信元バーです。

カポエイラ仲間のかずさんから、どうやらバイーアのサンバ・ジ・ホーダを
演奏している人がいるらしいという情報を聞き、しかもその方が
アパレシーダでライブをやるというのでこれは何か良いタイミングということかな
と思い出かけてきました。実に10年越しのアパレシーダ詣でです。

ちなみに、Aparecida–アパレシーダは、ブラジルの聖母マリアの名前で、
その名もAparecidaという土地に現れたマリアです。
Nossa Senhoraは「聖母マリア」にあたるわけですが、
Nossa Senhora de Fatimaや、Nossa Senhora de Conceição、
たくさんの名前や土地名によるマリア様がいます。


※アパレシーダとバイアーナ。どちらもプレゼントでもらった大切なものです。

アパレシーダの聖母マリアは、カトリック教から公認された「ブラジルのマリア」で、
その姿は肌が黒く、青色のマントと、王冠が印象的です。
1700年の前半にパライーバ川イタグアス港というところで、不漁に悩んでいた
3人の漁師の元へ、川底から頭部と身体が別々に出現したのが最初とされます。
頭部と身体を共にした時、大量の魚が網の基へとやってくるという奇跡が起こった
とされ、その後も聖母マリアの像の前のロウソクの火が自然と消灯・点灯したり、
奴隷の手かせが外れる超現象が起きたりと、数々の奇跡を起こしたとされ、今なお
サンパウロにあるアパレシーダ・バジリカ聖堂には巡礼の旅をする人が絶えません。

その巡礼を歌った「Romaria-ホマリア」(Renato Teixeira)はElis Reginaが
1977年に歌い、今なお多くの人々に愛されています。

修行の進んだ巡礼・Elis の娘Maria Rita による「Romaria」
http://www.youtube.com/embed/zO6e5bYZv7c

ご本人Renato TeixeiraとIvete Sangaloのデュエット
http://www.youtube.com/embed/ZA6MbV0cDLI

さて、西荻窪巡礼です。


※入口には北東部で有名な版画が


※店内のにぎやかなカウンター。CD,DVD,書籍でいっぱいです


※いろんな地方のお酒があります


※コルデウ(即興の歌詠みで物語を綴る、今なおブラジルに残る庶民文化)がつられています。

サンバ・ジ・ホーダはヴォーカルの武石由紀子さん、ギターは高田泰久さん、
そしてパーカッションは、こんな可愛いらしいパンデイリスタがいるのですがという
えとうよしえさんでした。サンバ・ジ・ホーダはみんなで作るもの!と思い
コーロを返し、歌って、ビリンバウでも参加してみました。
懐かしい曲がたくさん聴けただけでなく、最後武石さんが親切丁寧に歌詞を
教えて下さるワークショップになっていました。


ライブの後、よしえさんがビリンバウに挑戦されていましたが、すぐ体得!
さすがミュージシャンの方は楽器のコツを会得するのが早いです。
武石さんはバイーア州のサントアマーロに滞在して、サンバ・ジ・ホーダの
勉強をされた方です。
美しい歌声だけでなく、澄んだ心と真摯な姿勢が印象的な方でした。
なんと今月大阪で月さんと共演されるそうで、これからも武石さんのような
方々を通じてアフロ・ブラジル文化が脈々と日本に息づいていったらいいな
と思いました。
大阪ライブの情報はこちらから→ http://ameblo.jp/krystallos28/


ジェニパポのお酒? なんとも珍しいものばかりです。


私はお酒は弱いので、ブラジルコーヒーを頼みました。
私の先生はいつもこうやってビイドロのコップにコーヒーと、
山盛りのお砂糖でコーヒーを飲んでいました。


ま!まさか…Filhos de Gandhy(ガンジーの子弟たち)の人形が…


アパレシーダの特徴はとにかく豊富な資料です。
書籍もほぼ全てといって過言ではないブラジル文化関連書籍が何でも揃っています。


とても懐かしい映画「フランシスコの二人の息子」


サルヴァドールの市内劇場「Teatro Villa Velha」のポスター!!
こんな角の角にあるような情報まで…

ディープなブラジルファンの期待に応えること間違いないお店です。
ブラジルでも購入できないかも…というような雑貨などもヴァラエティ
豊かに並んでいます。
ゆっくり本を選びながら、カウンターに座るのも良いですね。

【アパレシーダ】
≪住所≫ 東京都杉並区西荻南3-17-5 2F
≪電話≫ 03-3335-5455
≪URL≫  http://aparecida.jp/

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